2016年6月19日日曜日

ストライクゾーンと野球の醍醐味について

 野球のストライクゾーンは、公認野球規則によると「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。」となっている。
 でも、打者はこの球を全部打てるわけではない。そこに、野球の面白さがあると思う。

 ノムさんによると打者は4タイプに別けられる。

 Aタイプ…ストレート狙いで変化球に対応
 Bタイプ…内角か外角か、打つコースを決める
 Cタイプ…引っ張るか流すか、打ち返す方向を決める
 Dタイプ…投手が投げてくる球種にヤマを張る

 アマチュア野球だとAタイプが多い。特に、直球が120キロを超えないような野球ならよっぽどのことがない限りAタイプで対応できてしまう。


 でも、そこから先のレベルになってくると、人間の反応力の限界を迎えるのだろう。これらの4タイプのいずれかでで対処せざるを得なくなるのだ。プロ野球レベルになれば、多くの打者はストライクゾーン全ての球を考えなしで打てるわけでない。


打者はこれらのタイプをカウント、イニングによって使い分けて、相手に見破られないようにじっくり打てる球を見定めているのだ。獲物を狩る狩人のように。


 だが、打者が何を考えているかは多少なりとも打席での様子に現れる。反応が出てしまうのだ。

 そして、バッテリーはその打者の様子を見て狙いを察する。

 ストライクゾーンが狭かったら打者はさほど考えなくても打てるだろう。逆に広すぎたらバッテリーはさほど考えなくても打者を打ち取れるだろう。今の広さは絶妙な広さだと思う。


 打者が見送った時の反応・しぐさ、ファール・空振りした時の様子、これらからどのタイプか何を狙っているか見極めて、次の投球に移る。ここら辺に奥深い野球の楽しみを感じる。

2016年6月12日日曜日

オーバースロー投手の2つの特徴

 6月11日、楽天対広島の試合を観戦していた。
 広島の先発は、ドラ1ルーキーの岡田明丈選手。私は岡田選手を観るのは今回が初めてである。
 どんな投手なのか、ワクワクして観ていた。
 岡田投手は、力感のないフォームからキレのいい直球を投げる投手だった。最近はずっとQSを達成しているようだし、広島はいい投手をとったと思う。

 オーバースロー投手には、大きくわけて2つの特徴があると思う。身体の軸が縦回転か横回転かだ。
 横回転はオーバースローといってもスリークォーターと言っていいかもしれない。
 
 この2つの投げ方、特に縦回転は一長一短のある投げ方で岡田投手は縦回転の投手だ。
 
縦回転の投手の場合、変化球は落ちるボールが投げやすい。フォークやチェンジアップなどである。そして、直球はホップするような球を投げられる。
打者はバットが横に長いこともあり、左右の変化は比較的ミートしやすい。ちょっと予想に反した変化をしても、ファールで逃げることもできる。点でなく面で捕らえることができるといった感じか。
しかし、縦の変化はミートが難しいのだ。細かいバットコントロールが効かない。実際にバットを持って、ミート位置を左右上下に動かしてみるとよい。なので、打者は伸びる球、落ちる球を投げられる縦回転の投手は攻略しづらいのだ。

ただし、欠点もある。それは、コントロールが難しいこと。よく、オーバースローからサイドスローに転向する選手はいるが、サイドスローからオーバースローに転向する選手はいない。縦回転投手は、リリースポイントが少しずれるだけで、大きくストライクゾーンから外れてしまう。また、リリース時に楽な姿勢でないので、フォームが安定しづらいのもあると思う。

岡田投手も勢いのあるボールを投げていたが、コントロールにバラツキが見られた。
走り込みなどにより、よりフォームが安定してきたとき、いよいよ手がつけられない投手になると思う。

2016年6月11日土曜日

イチロー選手のヒットにどれだけ勇気づけられたか

 イチロー選手が世界最多安打にもう少しと迫ってきている。日米通算は記録なのか?という声もあるが、大した問題ではないと思う。単純に世界のプロ野球で一番ヒットを打った人。韓国、台湾、独立リーグ、どこでもいい。世界で一番ヒットを打って、世界で一番沢山の人にエネルギーを与えた野球選手。それがイチロー選手だということだけで十分だ。

 思えばこの20年、イチロー選手の活躍に日々一喜一憂していた。
オリックス時代、私はまだ小学生でイチロー選手をテレビで観る機会も少なかった。たまに見ることができるスーパースターという感じで、遊びで振り子打法をやっていた。なんとなくイチロー選手がやっているからカッコいいみたいな感じだった。
その頃は、中日に3年連続首位打者のパウエル選手もいたし、首位打者は何年も同じ人がとるものだと思っていたが、それは違うということに大きくなってから気づいた。3割バッターが2~3人しかいなくても3割5分打つイチロー選手は普通だと思っていたが、それも違うことに大きくなってから気づいた。
あの頃は、田口選手、ニール選手、なども在籍しオリックスファンの子供も多かった。頑張ろう神戸での日本一に勇気づけられた人も多かっただろう。

私が本格的にイチロー選手の活躍に目を見張るようになったのは、メジャーに行った後だ。初めての日本人野手。7年連続首位打者という意味の解らない記録を持っていても、アメリカで通用するのか、疑問の声が多かった。そのとき、まだ中学生だった私はアメリカ行っても日本のときみたいに首位打者とるんだろうなぁ、と軽く思っていた。イチロー選手が首位打者なのは当たり前だと思っていた。そして、本当に一年目から首位打者を取った。盗塁王とMVPもとった。イチロー選手なら当たり前だと思っていた。逆に、2年目にイチロー選手が首位打者を逃したときは衝撃だった。それぐらい私の中ではイチロー選手=首位打者だったのだ。
シーズン最多安打を打ったとき、私は大学生だった。その頃には、毎日イチロー選手の試合をチェックしていた。午前中やっているから授業中にチェックするのに丁度良かった。イチロー選手がヒットを打つたびに、心の中でガッツポーズをしてやる気がでてきた。その頃は、毎日2本くらい打つのが当たり前だった気がする。1安打だと(調子悪いのかな?)と思っていた。よく考えたら異常だ。

WBCも大学で観ていた。韓国戦のイムチャンヨンから打ったヒットは忘れない。あの場面で打つ。スーパースターだ。


そして、今私は働いている。イチロー選手は変わらずヒットを打っている。そして、今もイチロー選手の活躍に一喜一憂している。

2016年6月5日日曜日

桃岩荘で思った正直な感想

気づけばもう6月。6月と言えば桃岩荘開所の時期だ。北海道礼文島にある桃岩荘。日本三バカユースの最後の生き残りとも称されるこのユースホステルは、ハマって毎年来るか、二度と来ないかの2択に意見が分かれるほどのぶっ飛んだ宿だ。
 
私は1回行っただけだが、ふとした時によく桃岩荘での日々に懐かしさを感じて、思い出に浸っている。つまりハマった側の人間だ。話のネタにもなるが、それ以上に一緒に泊まった客との一体感が生まれるこの空間は、今の時代にはかなり貴重な場所なんじゃないかと思う。

 偶々同じ日に泊まることになった見知らぬ客同士が、2日後にはあだ名で呼び合う仲になる。お見送りのため、宿からフェリー乗り場まで1時間かけて歩き、「また来いよ~!」と手を振りながら歌って踊って送り出す仲になる。学生の合宿所のような雰囲気で、一人の時間も上品さも全くないが、全国無数にある落ち着いた宿にはない雰囲気を持っている。
 
 私は礼文島に行こうと思って宿を探していたときに桃岩荘を発見した。そしてネット上に溢れている記事を読んで、正直ひいた。だが、折角だからこの変な宿に泊まろうと思ったが、予約するのに躊躇い、実際に礼文島に行くフェリーの中でも憂鬱になったのを覚えている。

 でも、実際は行って正解だった。想像よりも過ごしやすい宿だったし、何より皆桃岩荘が好きなヘルパーさん、旅人だったから溶け込むこともできた。日常の嫌なことも悩みも全て忘れる非日常を過ごせた。

興味を持っている人はぜひ行ってほしい。そこには、日常では味わえない生活が待っている。日常に戻っても、時折懐かしくなる思い出も沢山できる。

 雰囲気の良い綺麗な宿はこれからどんどん増えるだろう。でも、桃岩荘のような昔の雰囲気を出している宿は中々作れない。古き時代からの歴史が醸しでている宿は、それなりの時間がたたないとできない。偶然、桃岩荘に30年振りに泊まりに来た客の隣で寝たのだが、その頃と雰囲気は全く変わっていないという話を聞いた。これからもずっと続いていってほしい。


最後に桃岩荘の写真を何枚か貼ります。

桃岩荘ではミーティングと呼ばれる劇と礼文島紹介が毎晩行われます。



桃岩荘には、「愛とロマンの8時間コース」という宿泊客から希望者を募って、皆で礼文島を横断するハイキングコースがあります。実際は10時間以上かかります。そのときの昼食がこの圧縮弁当。正直、私がこの年1年間で一番美味しく感じたのがこの弁当でした。疲れた身体で礼文島の大自然を観ながら食べる圧縮弁当は格別です。(普通のシチュエーションで食べたら普通の味です。)

桃岩荘のお見送り。礼文島を離れる客を、ヘルパーさん、宿泊客皆で見送りします。
また、フェリー乗り場で再会して、再度お見送りされますが。

最後に礼文島に行ったら見られる風景。


また行きたい!桃岩荘!